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空想考察

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創作日記『空腹にて云々』十五日目 肉じゃが

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 十五日目料理長の奥様と水を入れない肉じゃが

 

窓辺に座って外を眺めていると、レースのカーテンがサワサワと揺れている。

今日は風がよく吹いている。

 

私は風で揺れているカーテンを見ると、不思議なことに、子供に返った気持ちになる。

曇り空の手前でユラユラしているレースのカーテンを時間を忘れて眺めていた。

頭をからっぽにするのにとてもいい時間だった。

 

では、「二人の料理人の話」の続き、「料理長の奥様の水を入れない肉じゃが」の話でも。

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水を入れない肉じゃがの話

 

料理長の奥様から教えて頂いた肉じゃがの話だ。

奥様曰わく、水を入れてはダメなのよ。とのこと。

はてさてさっぱり見当もつかない。

材料を切って炒めたら、お酒と、お砂糖を先に入れて、煮るといいらしい。

あとは醤油を入れて、煮たら出来上がり。

あらまあ不思議、これで美味しい肉じゃがができるとは。

半信半疑でお話をうかがって、頭にメモしておいた。

 

翌日忘れないうちに、早速肉じゃがの材料を買ってきて、作ることにしてみた。

 

私の肉じゃがはいつも味が染み込まない。

私の好きな肉じゃがは甘味の強い濃い肉じゃがなのだが、なんというかこう、外側だけが変に濃い肉じゃがで、中がふかした芋のままなのだ。

 

こっくりとした肉じゃがにならないのだ。

こっくりとしているのは、煮汁だけだ。

 

本を読んでだし汁と醤油と砂糖とお酒を入れて作っているのに、納得のいく出来上がりになったことがない。

はてさて水を入れない肉じゃがはうまくいくのであろうか。

だが、私は味の染みた肉じゃががどうしても食べたいのだ。

なので、よくわからないけど、やってしまえ!っと、作ってみた。

 

するとなんと、味が染み染みの肉じゃがが出来上がったではないか!

 

基本的な作り方は以下の通りでやってみた。

 

材料


材料2~4人分くらい

 

じゃがいも400~500gくらい

玉ねぎ400~500gくらい

牛肉または豚肉200~300g

砂糖大さじ4~5

酒大さじ4~5

醤油大さじ4~5

サラダ油大さじ1


とりあえず、最低限のシンプルな肉じゃがの材料で作った。

鍋はしっかり蓋のできる両手鍋がいいと思う。


やってみた手順


鍋に油を入れて温める。

肉を入れて炒める。

肉の色が変わったら玉ねぎとじゃがいもを入れて炒める。

じゃがいもの端っこがすこし透き通る感じに炒まったら、酒と砂糖を上から全体にかける。

 

そのまま蓋をしっかりして中火~弱火くらいでタイマー10分にセット。

しばし待つ。

気持ちは焦げないかヒヤヒヤしている。

鍋の音に耳をすます。

おや、水を入れていないのにクツクツという音がしてきた。

わからない。

なぜだ。

そして、10分後タイマーが鳴った。

 

鍋の蓋を開けてみると、入れたはずのない水気がかなりある。

野菜の傘の1/3~1/2くらいはあるように見えた。

ここで、一旦全体を混ぜる。

 

あとはまた醤油を上から全体にかけて小さくクツクツ言うくらいの弱火にして、しっかり蓋をして15分タイマーをかける。

グツグツグツグツではない。小さめのクツクツクツクツくらいだ。

念のため焦げないよう、火が弱くなりすぎないようにガス台の前でスタンバイはしておく。

あとは、タイマーが鳴ったら火を止めて、いったんまた全体をまぜて少し冷ます。

5~10分くらいか。

 

これでなんと、味が染み染みの肉じゃがができるのだ。

煮込み時間は30分かからない。


あっさりと簡単に美味しい肉じゃがができた。

私の食べたかったこっくりとした肉じゃがが出来たのだった。

 

なぜ鍋に水が出現したのか、なぜこんなにも短い時間で味が染み染みになったのかどうしても気になったので、いろいろと調べてみた。

 

こういうことらしい。

 

理由

 

まず、鍋に出現した水分の正体は酒と溶けた砂糖と野菜から出た水分だった。

 

そうして、なぜ味が染みたのかというと、塩分と糖分では浸透圧の差があり、同時に入れると煮物などでは中まで味が染み込まないのだ。

 

塩分が分子が小さく材料の表面に先に入り込んでしまって、分子の大きい糖分は中まで入れなくなってしまうのだ。

 

あのいつものこっくりとやたら甘かった煮汁の正体はこれだ。

塩分だけが材料に染み込んで、染み込めなかった糖分だけがたっぷりと残った煮汁だったわけだ。

 

だから、煮物などをつくる時はある程度酒や砂糖で先に甘く煮てから醤油などの塩分を加えると良いというわけだ。

 

そう。家庭科で教わった『さしすせそ』だ。

さとう
しお

せ→しょうゆ
そ→みそ

 

勉強はやはり意味があるのだ。と、しみじみ思った。

いやはや料理は科学である。

ちなみに、冷める過程で味は濃い方から薄い方へと移動するという性質があるので、冷ますと煮汁がよりいっそう染み込む。

なので、いったんわざと冷まして食べるときに温めると、至福の肉じゃがの出来上がりだ。

 

先人の知恵に大感謝。

ご飯と科学にびっくりだ。

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