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空想考察

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『デンタルアシスタントさん!!』 第8話

『DENTAL8』

 

まっかなスカーフをした60代くらいの女性患者さんのお名前は、ツジイミワコさんとおっしゃいました。

こちらの病院ははじめてだそうです。

「いかがなさいましたか?」とお尋ねしました。

「奥歯の歯が浮いた感じで噛めないのよ!」と不機嫌にお答えになりました。

迫力に怯みそうです。

 

が、保険証チェックと問診票は書いて頂かねばなりません。

お願いしましたところ、なんとか保険証チェックと問診票はクリアできました。

で、診察の準備です。

 

ソライさんの時に怒られましたので、トレーにピンセット、デンタルミラー、探針(虫歯の深さとか測るらしい)、エキスカ(虫歯でやわらかくなった部分を掻き出したりするのに使うらしい)とを準備して、おじいちゃん先生を呼びます。

 

奥のお部屋からおじいちゃん先生は出てきて、問診票を読みます。

その後で、私の準備したセットを見て、ドンヨリしています。

「モモエちゃん…。あのな、この人は年齢的にも歯周病の可能性があるからな、歯周ポケットの深さを測るプローブっちゅう器具がいるんやで。」といって、プローブの器具を紫外線で滅菌している滅菌ケースから持って来てくれました。

 

「これがプローブや。」と、見せてくれました。

…わからない。探針との違いがわからない…。

どちらも先が曲がっているし、細長い…。

と、私がわからない事が顔に出ていたのでしょう。

おじいちゃん先生は、教えてくれました。

 

「モモエちゃん、短針は丸くカーブして先が針になっとるだろ?でもな、プローブはくの字に曲がって、先は薄っぺらい板になっていて、目盛りがあるやろ?これで、歯周ポケットの深さを測るんやで。」

そういわれてみると、確かに別物に見えてきました。

確かに針で歯周ポケットの深さを測られたらたまりません。


とりあえず準備ができましたので、ツジイさんをお通しします。

エプロンもかけて、椅子も動かし、順調です。

おじいちゃん先生が口の中を診察したところ、やはり歯周病でした。

「モモエちゃん、パノラマ!」と、おじいちゃん先生に言われたものの…パノラマのフィルムの場所と機械の使い方…わかりませんが…。

おじいちゃん先生の顔に疲労の色が濃くなってきています。

 

「あのな、パノラマのフィルムはここやで。あと、今から機械の使い方教えるから、しっかり覚えてな!モモエちゃん!」

「はい!」わからない分、返事くらい元気よくしてみます。

もうね、あまりにわかんないことだらけで、正直かなりツラい…。

で、パノラマの機械の使い方を教えてもらいました。

あと現像の仕方も。

 

そうそう。

この歯科医院は現像の機械は有りませんので、デンタルという小さなレントゲンは、霧吹きみたいな容器の先にぶっとい注射針のようなものがついたものを、直接フィルムの袋に刺して、現像液を注入して、三十秒くらいモミモミして現像します。

時間を間違えると、画像が薄かったり、濃くなってしまってダメになってしまいます。

…難しいです。 

 

パノラマの現像はもっと難しいのです。

撮影室の窓をふさぎ真っ暗にして、真っ暗な部屋の中にタイマーを持って入り、暗闇の中フィルムを現像液につけて、現像するのです。

本当に真っ暗で狭い場所での作業ですので、はっきり言って…怖いです。

閉所恐怖症でなくて良かったです。


で、無事現像も終わり、やはり歯周病が進行していることがわかりました。

なので、歯石をとることになりました。

超音波スケーラーという器具を使います。

…これは先が三日月のような形に曲がっています。

 

麻酔をして、スケーラーをかけていくと、歯茎の上にある白いポロポロと取れる歯石と、歯茎の下にある黒いなかなかしぶとくこびりつい歯石が取れて、バキュームの中に吸い込まれていきます。

所々、出血がひどい所もありますが、おじいちゃん先生はゴリゴリと歯石を取っていきます。

 

ひととおり取り終えましたら、口腔内の消毒です。

おじいちゃん先生が、薬液を患部と口腔内いっぱいに塗り広げます。

ツジイさんの顔が歪みます。

うがいをしていただいて、ツジイさんの本日の治療は終了です。

 

化膿止めと痛み止めを出して、明日来ていただくように伝えます。

ちなみこちらの歯科医院は、予約制ではありません。

来られた順番になります。

 

ツジイさんをお見送りしたら、ちょうど午前中の診察が終わりました。

やっとお昼休みです。

受付のブランドを下げて、やっとほっとします。  

しばし机に突っ伏して、頭のクーリングダウンをはかります。

多い…覚えること、多い。

もはやすでに帰りたい気分です。

とりあえず、五分ほど休み、先ほどのツジイさんの器具を洗って、お昼ご飯に入ります。

 

こちらは休憩室はありませんので、受付室の椅子が休憩場所です。

食欲下がり気味でしたが、ドヨドヨと箸を進めました。

といいますのも、早く食べ終わって午前中に教わったことをメモに取って整理しないととても覚えられそうになかったからです。

はあああ。これが昼からもあるのかと思うと、気が遠くなりそうです。

 

それにしても、おじいちゃん先生の声は大きいな…。

昼からも怒られそうな予感がヒシヒシと伝わります。


(つづく)
 
※このお話はフィクションです。作中に登場する医療行為はあくまでフィクションとしてお楽しみください。決して参考になどはなさらないでください。悪いところがあったら、かならず病院にいってください。

 

 

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